織ネーム、プリントネーム、型押ネーム、刺繍ネームの4つに分類して紹介しています。
織ネーム
シャットル、レピア、ニードル織機でジャガード織をしたラベルです。近年は細番手糸を使用した高密度織りにより、高精細な表現が可能になっています。糸の織り成す美しさが特徴です。
レピア
レピア織機で織る広巾織ネームで、織る後工程で巾を自由にヒートカットし、ネーム巾にします。多色織りができ、写真のように表現することもできます。耳をヒートカットするため、素材はポリエステル100%です。ヒートカットは肌触りの面でインナーに使用すると「チクチクする」などの不快感を受ける人が多く、直接肌に触れない部位に使用することをお勧めします。超音波カットで若干ソフトにしたり、耳をオーバーロックしてヒートカットを隠す加工をすることで肌触りを改善する方法もあります。
シャットル
シャットル機で織られた細巾のジャガードネームです。レーヨン、ポリエステル、スパン糸など様々な素材を使用できます。耳付きのため、ヒートカットする必要がなく、肌触りがソフトになるのも特徴です。杼の数に制限があるため、一般的にはベース色を入れて4色までの構成となります。
シャットル織機は力織機とも呼ばれ、ヨコ糸を杼(シャットル)に入れて織機の両端でシャットルを叩いて生地を織り上げていきます。柄を出すジャガードは紋紙から電子データ化し、コンピュータネットワークを介しスピーディに製作にかかることできます。製織後はエンドフォールドなどの後加工を施します。
ニードル
無地のものはタックゴムやテープ、ジャガードの付いたものでネームやラインテープなどを作っています。シャットル機のように決まった巾を織りますので、耳もソフトです。
横糸をコーンより直接引き出す杼のない織機で、ニードルと呼ばれる金具で横糸を通す、片耳の高速織機です。
プリントネーム
印刷するネームも多岐にわたり、様々な素材を用いて多様で表現力のあるラベルの作成ができます。主にシルク印刷とシーリング印刷を用います。
シルクプリントネーム
透過性の版を用いたプリント方法で、主に油性の顔料インクでプリントしますが用途に応じて他の方法もあります。織ネームに比べて細かくシャープな表現が可能です。色は6色までの特色印刷となります。ハイメッシュを使ったカラー印刷も可能ですがオフセットに比べるとかなり粗くなります。バイオ加工する場合は使用する酵素によりバインダーが分解されることがあるので注意が必要です。
シーリングプリントネーム
シルクプリントに比べ柔らかく、製品洗いによってアタリ感がつきやすく中古感が表現できます。また別の商品コンセプトとして品質表示などのローコストネームとして特色プリントすることもあります。
型押ネーム
ウォッシャブルレザーをはじめ、PVCやコードレを素材に型押しや高周波加工によって凹凸感をつけたり、プリントや転写による表現も可能です。また、異素材とのコラボレーションにより、より豊かな表現力を持たせることもできます。
ウォッシャブルレザー(天然皮革)ネーム
洗濯すると縮む、色落ちする、硬化するといった革の特徴を排除し、水洗いのできる皮(ウォッシャブルレザー)が完成しました。この素材に焼き押し加工を施したネームです。転写やプリントもできますがウォッシャブルの性能は落ちます。カジュアルウェアやジーンズに使用されています。
合成皮革ネーム
主な素材としてクラリーノやエクセーヌなどの人工皮革やコードレなどを使用します。高周波でのエンボスや転写・プリントも可能です。基本的にクリーニングもできます。コードレ素材のネームではジーンズなどに用いてユーズド加工するとアタリが出難くキレイなまま残るというデメリットもありますが、逆に摩擦に強いメリットでもあります。
刺繍ネーム
テープや生地素材に刺繍によって表現された高級ネームです。織ネームに比べて価格が高くなってしまいますが、立体感のある独特のネームを作ることができます。